大学生と考えるマテックスのマテリアリティの特定①

マテックス学生対話会1日目集合写真

窓の専門商社マテックス(東京・池袋)はサステナビリティ対応に真摯に取組む会社。今回は同社が重点課題(マテリアリティ)を特定していく過程でステークホルダーにヒアリングした模様を紹介する。ヒアリングした相手は大学生たち。

さて、なぜ大学生たちなのか?

(本記事はcokiでも掲載されています)

マテリアリティの特定に大学生の意見を取り入れる背景

マテックスは2028年に100周年を迎える長寿企業。長寿企業は一般企業と比べて、多様なステークホルダーとの互恵関係を重視する経営を行う企業が多い。

マテックスもまた、サステナビリティ経営に長年注力してきた会社であり、サステナビリティレポートを作成するにあたって、今回マテリアリティの特定を行うことにしたそうだ。その過程で、対話を行う相手のステークホルダーとして、でてきたのが大学生たち。社員や取引先以外にも、せっかくなら自社の長期的視点からも未来にステークホルダーとなりうる大学生たちの意見も聞きたいという考えからの発案だった。

そのため、まずSDGsなどの国際的なガイドラインの要求項目を参考にリストアップし、重要度を社内で検証したうえで、大学生をはじめとした多様なステークホルダーとの対話から客観的な視点を取り入れることに。そのうえで、事業モデルや事業環境に即して重点課題を抽出し、マテリアリティとして特定しようという流れをとった。

マテックス マテリアリティ特定プロセス
マテックス マテリアリティ特定プロセス

マテックスの取組みを通して学べること

加藤 俊

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 週刊エコノミスト 『SDGs最前線』 日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

マテックスの今回の取組みを通して学べることは、長寿企業ならではの長期的な視点だと思います。

ステークホルダーを大切にする経営を実践するためにも、未来世代というステークホルダーである学生達もまた大切なステークホルダーと考え、意見を取り入れる様は、多くの企業にとって参考となるのではないでしょうか。

また、マテックスは非上場の会社です。任意開示について、株主やESG評価機関などの声を過度に気にする必要はありません。そのため、マテリアリティの表現の仕方については、社員一人ひとりに深く理解してもらうことを優先することができました。おかげで、マテックスならではの文化を体現する独自の言語を活用することができました。

※マテックスについて詳しく知りたい方は、私が前に書いた、日経新聞のこちらの記事をお読みください。
建材卸売業のマテックス、自社の知見業界で共有

ヒアリングはダイアローグとして、2023年9月27日と10月2日の2日間をかけて大学生計10名の方々に集まってもらい、実施した。本記事は、その模様を紹介するもの。

議題のテーマはマテックスのマテリアリティにおける4つのキーワード。
この4つのキーワードは、SDGsなどの国際的なガイドラインの要求項目を参考にリストアップし、重要度を社内で検証したうえで、マテックスの取組みと解決すべき課題感をまとめ、落とし込んだものだ。

この4つのキーワードを元に大学生と対話会を展開した。

マテックス マテリアリティ 4つのキーワード
マテックスのマテリアリティ 

以降は2023年9月27日の対話会初日の内容をレポートする。

<対話会に参加した学生達>

※本記事における学部学年は取材当時のものです。

斎藤日向子さん(法政大学国際文化学部1年生)
斎藤 日向子さん(法政大学国際文化学部1年生)
藤田ももさん(法政大学グローバル教養学部1年生)
藤田 ももさん(法政大学グローバル教養学部1年生)
吉田麻衣さん(法政大学グローバル教養学部1年生)
吉田 麻衣さん(法政大学グローバル教養学部1年生)
齊藤 真尋さん(法政大学グローバル教養学部2年生)
齊藤 真尋さん(法政大学グローバル教養学部2年生)
森田 彩月さん(法政大学社会学部1年生)
森田 彩月さん(法政大学社会学部1年生)

トークテーマ:「自分ごと化」

最初に討論してもらったテーマは、「自分ごと化」。抽象的なテーマだが、例えばこんな事象に心当たりはないだろうか。

世の中で何らかの事件が起きるとする。連日メディアで報道され、世間が騒がしくなる。騒動の渦中、世間は「悪者」を探して糾弾する。ひとしきり騒がれたら事件は忘れ去られ、問題は解決されないまま、また別の事件が起きる。この社会で、そんなループが繰り返されている。

問題の本質はどこにあるだろう?社会課題の本質に触れるための第一歩は、事件を「他人ごと」で片づけるのではなく、できる限り「自分ごと化」してみることではないか。

マテックスでは、社会課題に対しても、また、仕事に取り組むうえでも、まずは起きている事象を「自分ごと化」して、自分を重ねて考えることを大事にしている。

「自分ごと化」というキーワードのイメージはつきますか?

齊藤真尋さん(法政大学グローバル教養学部2年生)対話会中の写真
齊藤 真尋さん(法政大学グローバル教養学部2年生)

斎藤 真尋(以下、斎藤(ま))

今「SDGsに力を入れてます」という企業が多いと思うのですが、「会社が動いてくれているから自分は別にいいや」ではなくて、自分個人でも考えるという意味なのかなと思いました。

斎藤 日向子(以下、斎藤(ひ))

そうですね。組織の上層部にいる人たちが取り組んでいることを「何かやってるな」と他人目線で見るのではなくて、自分も主体的に考えるってことなのかなと。

森田

自分にできることは小さいかもしれないけれど、「自分なら何ができるかな。できることからやってみよう」と前向きな姿勢を持つことで、その小さなことが大きな組織に波及していく、みたいなイメージを持ちました。

もしご自身がマテックスの社員だったら、「自分ごと化」というキーワードに関してどのようなことができると思いますか?

左:藤田ももさん(法政大学グローバル教養学部1年生)対話会中の写真
左:藤田ももさん(法政大学グローバル教養学部1年生)

藤田

SDGsで言うと「ジェンダー平等を実現しよう」につながることで、例えば職場で男性も育休をとれるように働きかけることなどは、SDGsが自分ごとになるきっかけかなと思いました。

森田

「窓を扱う企業」という点で言うと、脱炭素とか環境負荷の小さい素材を活用するとか、そういった課題について何ができるか、社員みんなで考えることが「自分ごと化」だと思います。また、例えば環境負荷の小さい素材を周辺地域の方々から提供してもらったりできれば、地域も巻き込んで横のつながりをつくることもできます。窓を通してできる環境活動について話し合える場を設けることも、自分ごと化のひとつかもしれません。

たしかに、環境問題を自分ごと化してみることで、長年慣習的に行ってきた「当たり前」を再考して、「地上にある素材を循環させる方法を探る」という発想も出てきますね。他にも、マテックスが「自分ごと化」をテーマとしたときに解決できそうな社会課題は思い浮かびますか?

斎藤(ひ)

特定の社会課題というよりかは、意識を変えることにつながると思います。

斎藤(ま)

SDGsの目標のひとつ「質の高い教育をみんなに」につながると思うのですが、今回の討論会のように、社会課題について学んだり考えたりする機会を提供することも、課題解決に直結すると感じています。

マテックス 松本代表の対話会中の写真
マテックス 松本代表

松本

ビジネスをしていると、ともすると近視眼的になってしまいます。特に競争にさらされていると、今月の数字、今週の数字、今日の数字と短期的な成果をあげたくなるものです。しかし企業にもやはり「長期的に考えてこうありたい」という将来像はもちろんあって、短期、中期、長期といろんなスパンで物事を捉える視点が、社会課題を対処する上で大事な視点なのだと思います。その視点を持ち続けるためにも、「自分ごと化」はマテックスの根底を流れる重要なキーワードです。

トークテーマ:「依(よりどころ)」

続いてのテーマは、「依(よりどころ)」。

「衣食住」は、生活の基礎となる3要素を表す、江戸時代の『浮世草子』に登場した言葉だ。社会構造が大きく変化した今の世において、この言葉の「衣」の部分を「依」に置き換えてみてはどうだろうか。

ファーストプレイスとしての家、セカンドプレイスとしての会社、そしてサードプレイスとなる「依(よりどころ)」。家と会社の往復から一歩外れたサードプレイスに、ほっと一息つける人間関係や、刺激を受け、成長を実感できるコミュニティが見いだせるかもしれない。

マテックスは、この「依(よりどころ)」こそが、心身の健康や良好な人間関係、社会とのつながりを感じられるウェルビーイングの鍵になると仮定し、サードプレイスとなる環境構築や機会創出に励んでいる。

「依(よりどころ)」という言葉のイメージはわきますか?

斎藤 日向子さん(法政大学国際文化学部1年生)の対話会中の写真
斎藤 日向子さん(法政大学国際文化学部1年生)

斎藤(ひ)

「サードプレイス」と捉えると、イメージしやすかったです。この言葉で連想したのが、不登校の課題です。不登校の子どもの教育面でも、いろんなところに居場所があることが大事で、それは小学生だけじゃなく大人にとってもきっとそう。大人のほうがむしろ、よりどころが少なくなるんじゃないかな。なので、重要なテーマだと強く共感しました。

吉田

わたしはまだ、「依(よりどころ)」の定義がよくわかりません。精神的なものなのか、身体的なものなのか、どんな環境を提供できれば「依(よりどころ)」といえるのか……

「依(よりどころ)」とは、「それがあるから安心できる」と思えるような、心の支えになる人、コミュニティ、時間だったり、「これがあるから頑張れる」と思えるような、元気や刺激をくれる場だったり。いろんな枠組みをこえて、越境型の学びや安らぎをくれるサードプレイスというイメージです。そんな「依(よりどころ)」というテーマで、マテックスが解決できそうな社会課題はありますか?

森田 彩月さん(法政大学社会学部1年生)の対話会中の写真
森田 彩月さん(法政大学社会学部1年生)

森田

問題を抱えているご家庭の、お子さんだけでなく親御さんにも支援を提供できるんじゃないでしょうか。ただ、それは自社の領域で余裕のある事業をできているからこそ、だとは思いますが。

藤田

私はどうも、「ファーストプレイス=家庭」「セカンドプレイス=職場」「サードプレイス=よりどころ」という捉え方がピンとこなくて……優先順位の話ではないのかもしれないけれど、1、2、3の順ではなく横並びならいいのになって。そうすれば、いわゆるワークライフバランスもうまくとれて、働く人のやる気や会社への忠誠心も上がるんじゃないかと。そういうバランスのとれた会社は、いい会社だと思います。

松本

サードプレイスというテーマは、「共創」というキーワードとも親和性の高いテーマです。社会課題の中には、自社が直接的に解決に乗り出せる領域のものもあれば、そうでないものもあります。なので、限界を感じるときには、他社や他団体、ときには自治体とも組んで、問題解決に取り組みます。そういう共創がやりやすい時代になっていると思いますし、この先ますます進むだろうと期待しています。

トークテーマ:「脱炭素」

2010年から自社のCO2排出量の数値化に着手したマテックス。製品の輸送プロセスの効率化などによって排出量削減に向けた努力を重ねた結果、例年右肩下がりでCO2排出量の削減に成功。2022年の排出量は630tまで抑えられた。

さらには、各家庭に断熱性の高い特殊な窓を普及させることで、年間3,000t弱のCO2削減に貢献している。通常、60~70%の熱の出入りは窓から生じる。これでは、冷暖房器具で室内を冷やしたり温めたりしても、穴のあいたバケツに水を注ぎ続けるようなもの。いくらクリーンなエネルギーを使って室内を温めたり冷やしたりしても、それが窓から漏れ出してしまっては、意味がない。

窓を扱う企業として、家庭における消費電力の削減に貢献する意義は大きい。

「脱炭素」というテーマ、みなさんは普段、意識することがありますか?

藤田

プラスチックを極力使わずに、紙ストローを使っている会社を選ぶとか、エコバッグを持ち歩くとか、小さなことですけどそういうスタンスは意識しています。最近はEVの話なんかも盛り上がっていて、意識にのぼるタイミングは多いと思います。

斎藤(ま)

私は常にエコバッグを持ち歩いているわけじゃないし、お店でも「ビニール袋ください」と言ってしまうタイプです。意識していることはしているけれど、自主的に脱炭素を意識して何かしたり、周囲に脱炭素に向けた行動を促したりするわけではありません。

マテックスが「脱炭素」に取り組む意味はあると思いますか?

吉田

私1人がやらないのと企業がやらないのとでは、影響の規模が違うと思うから、企業はやるべきだと思います。

藤田さんと斉藤さん

藤田

「CO2の排出量を減らそう」と取り組んでいる企業があることを、消費者をはじめとするステークホルダーに知らせるだけでも、十分意味があると思います。

「うちもやったほうがいいんじゃないか」と取り組みを始める取引先なども出てくるでしょうし、行動の連鎖を起こすという意味で、意義があると思います。

行動の連鎖の方法としても、直接的に窓を売ることを通じてというよりは、例えば途上国にサステナブルな製造方法の技術を伝えることのほうが、その土地の人々にとって意味があるように思います。

松本

松本:脱炭素や環境に対する取り組みは壮大なテーマで、何が本当の解決になるのかはまだ分かりません。

エコバッグ1つを作るプロセスと、プラスチックバッグ50枚を作るプロセスとで、CO2排出量はほぼイコールという話があったり、クリーンエネルギーと言われる風力発電所に巻き込まれたシマフクロウやワシが犠牲になっているという話があったりと、本質をつきつめると何が正解か分からない部分もあります。

結局は、「自分はどう参画できるだろう?」と考えながら、周囲を巻き込みつつ一緒に解決方法を模索していくことが重要なのだと思います。

トークテーマ:「経済成長至上主義からの脱却」

「経済成長至上主義からの脱却」とは、「利益をあげないこと」とイコールではない。営利企業である以上、未来に存続するために利益をあげ続けなければならない。

ただ、ここで立ち止まって考えたい。

「その利益の出し方は適正か?」

低価格の背景には、踏みつけられている誰かがいるかもしれない。地球環境に多大な負荷が生じているかもしれない。利益を生む背景に、そんな光景が広がっていないか、目を向けたい。

「先義後利」、創業者の松本義雄の経営哲学であり、現在のマテックスにも承継される価値観だ。社会のために尽くし、お客様に喜ばれ、従業員が安心して働ける信頼関係があれば、利益は自ずとついてくる。

闇雲に利益の最大化のみを目指す事業に、持続可能性はない。未来に存続するビジネスであるために、マテックスは敢えて、経済成長至上主義からの脱却を掲げている。

「経済成長至上主義からの脱却」というテーマで、マテックスは何ができるでしょうか?

斉藤さんと森田さん

斎藤(ひ)

私は自分自身が「競争したい」とか「めっちゃお金が欲しい」とか思っているわけではないので、このテーマにすごく共感しました。元々、「お金を稼ぐ目的のために広告などに高いお金を費やす」みたいなことに違和感を抱いていることもあり、本来の目的に沿って行動しようとしているマテックスの姿勢に共感を覚えました。

また、これは取引先企業とも関係が深いテーマだと思うので、製品とともに「経済成長至上主義からの脱却」という意識も卸していくことが大事だと思います。

藤田

「経済成長至上主義からの脱却」を掲げているということは、上司と部下の関係にしても意見を言いやすかったり、話が通りやすかったりと、風通しの良い会社なのかなという風に感じました。働く場所にしても家や会社の外で仕事ができて、場所を変えることで発想力が広がるような、そんな印象を持ちました。

左:右:吉田麻衣さん(法政大学グローバル教養学部1年生)の対話会中の写真
左:齊藤 真尋さん(法政大学グローバル教養学部2年生)右:吉田 麻衣さん(法政大学グローバル教養学部1年生)

斎藤(ま)

私はむしろ、社長を含め上司と部下が対等な関係であるべきなのか、正直疑問に感じています。意見が言えて風通しの良い会社になるのかもしれないけど、対等がいいのかどうかは……難しいところですよね。

この場で言うのもなんですが、私は「SDGsに積極的に取り組んでいます」という会社よりも、自分がやりたいことに挑戦できて成長を感じられる会社のほうが「いい会社」だと思っていて、平等よりも成長実感を重視しています。

松本

おそらくSDGsがどこか広報活動的になってしまっているせいで、「いい会社」に違和感を覚えるのかもしれません。でも実際、本気でそれを実現しようと格闘している企業もあるので、学生の皆さんもそこは見抜けるようになるといいですね。

よく、経営の3大資本は「人・物・金」と言われます。「あれ?」と思われるような会社は往々にして、この順序が「金・物・人」になっています。経営がうまくいかなくなると、すぐに人を調整弁のようにして減らしてしまいます。マテックスは、そういう会社にだけはなりたくないという決意も込めて、「経済成長至上主義からの脱却」を掲げています。

人にフォーカスした経営をしている会社は、物もお金も大事にしつつ、社員1人1人が成長実感を持てているかも重要視します。例えば、自分が考案した企画でお客様や生活者の方々から感謝いただいたら、「貢献できている」と感じられますし、成長実感も得られます。一方で、安値追求やシェアの拡大ばかりを主眼にして企業活動をしていると、偽装事件や不正の温床になりかねません。

マテックスは、ゆくゆくは業界の文化にも変化をもたらせるよう、引き続き「経済成長至上主義からの脱却」に挑戦し続けます。

4つのテーマを振り返って

これまで4つのテーマについて討論してきました。振り返ってみて、いかがでしたか?

斎藤(ひ)

個人的には、先義後利の考え方を今後も継承しつつ、世の中に浸透させていって欲しいと思いました。それが「自分ごと化」にもつながるような気がします。

森田

今日この場で初めて知ることが多く、特に「依(よりどころ)」の考え方は新鮮に捉えられました。また、私は途上国の問題に興味があるので、「自分ごと化」のテーマも「離れた国のことも自分ごととして考えられる社会づくり」につながる考え方で、すごくいいと思いました。

ただ、せっかくいい取り組みをされているので、もっと情報発信に注力されたらいいのかなと感じました。今の世の中の潮流を見ると、「SDGsやってます」という発信はどこの会社もしているので、今日伺ったみたいな根拠や具体的なエピソードとともに、これまでの取り組み実績を発信していかれてはいかがでしょうか。

情報発信は、自社の取り組みを広める意味でも、お客さんや消費者が「社会貢献している会社を選ぶ」という意味でも、意義のあることだと思います。消費者の考え方も、「お金を使う先を選ぶことは未来への投資」というような姿勢に変わっていくといいですね。

斎藤(ま)

私も、今回のような「知る機会」はすごくいいプロモーションになると感じました。それぞれのテーマに手厚く本気で取り組んでおられる印象だったので、マテックスのオリジナリティをもっと発信していかれるといいと思います。ただ、「SDGsやってます!」と前面に出すと他の企業と同じになってしまうので、発信の仕方には工夫が要りそうです。

それと、「自分ごと化」や「よりどころ」のお話を聞くなかで、長期的な視点でテーマ設定されていると感じました。長期的という意味では、次世代の私たちであったり、これから就職活動を迎える人たちだったり、未来世代のステークホルダーを大事にされている企業という感じがして、好印象でした。

最も共感できたテーマはどれでしたか?

斎藤(ま)

「依(よりどころ)」ですね。あまり耳にすることのない概念で新鮮だったというのもありますし、敢えてサードプレイスの提供をウリにしている会社にも出会ったことがなかったので、個人的には一番推しのキーワードでした。

吉田さん

吉田

私は「自分ごと化」ですね。SDGsで目指す最終目標って壮大なので、他人ごとになりやすいと思うんです。それに、仕事や生活において自分が満足した状態だったり、「こういうことのために仕事しているんだ」という認識があったりすることで初めて、本来の持続可能な目標に迎えるのかなと。

なので、短期的な売り上げとか目の前の現実がありながらも、同時並行で環境問題や社員1人1人が仕事に誇りを持てるようなテーマを掲げて社会課題に向き合おうとしているマテックスは、率直にすごいなと思いましたし、着実に最終目標に歩み寄っていると感じました。

学生の皆様、素晴らしいご意見をありがとうございました。最後に松本社長、今回の対話会について如何でしたでしょうか?

松本

これまで対外的に「あれもこれもやってます」と発信することに抵抗があったのですが、本日皆さんのお話を伺っていて、「自分たちをPRする」というよりは、自分たちが重要視する考え方を「広めていく」ことの大切さに気付かされました。本日話し合っていただいたテーマをどう世の中に広めていけるか、そんなところにも、マテックスらしい価値があるのかもしれません。貴重なご意見を、ありがとうございました。

松本代表

他の大学生たちとのダイアローグは以下から読むことができます。

SDGsツヅケルのメディアでも今回の取り組みが紹介されています。
是非、ご一読ください。
【企業と学生の対話会レポート】企業の取り組み、どこまで共感?「マテリアリティ」策定とSDGsへの貢献

◎会社概要
マテックス株式会社
所在地: 〒170-0012 東京都豊島区上池袋2-14-11(本社)
TEL:03-3916-1231
資本金:1億円
URL:https://www.matex-glass.co.jp/

【就活生にとって1番重要で1番軽視しがちな自己分析】

先日開催した「業界選びに役立つ自己分析講座」では7人の19卒就活生が参加してくれました!

 

就活における自己分析は2種類あります。
1つ目は、自分にとってよい企業を見つけるための自己分析
2つ目は、行きたい企業に入るための自己分析

 

この講座は業界選びに悩む就活生が集まってくれたので、自分にとってよい企業を見つけるための自己分析を実践!
具体的には、
・モチベーショングラフ
・探索行動
これらを用いて自分の楽しめる出来事の特徴をとらえよう!というものでした。

 

イベント後、参加してくれた学生からはこんなコメントがありました!
・自分のことを振り返る事ができた
・自分のことを他の人にレビューして深堀してくれた。
・自分の知らなかった一面を知ることができたからよかったです。
・わかりやすくて感動っ

 

自己分析は他にも様々な方法があります。
WEBで自己分析について調べてみても、よく分からない
という人がいたらまず一度、先輩に聞いてみると良いです。

ミンスタではいつでも個別相談を受け付けています。
18卒の先輩や、様々な企業、業界のコンサルを経験された社会人の方々に
何でも相談できる機会です。気軽に使って見て下さい!

 

 

【個別相談申し込み方法】

①ミンスタ公式ラインと友達になる(ID:@minsuta)

②ミンスタラインにメッセ―ジを送信
※大学・学年・名前を添えてください

③その後、希望日程や相談内容を調整しましょう!

IR資料ワークショップ

 11月30日、金融リテラシーのセミナー講師や投資家として活躍している羅愛貴さん(早稲田大学商学部4年生)をお招きし、IR資料ワークショップを開催しました。
羅さんは高校時代から株式を通じた企業分析をはじめ、どんな企業でもガラスを通して中を見るように解説してくれるプロ顔負けのスキルの持ち主です。
・日本証券新聞記事寄稿
・中央大学法学部 講演会講師「金融リテラシーについて」
など、多方面で活躍されています。
ワークショップでは、IT資料という投資家向けの企業情報をどのように
見れば投資や就活の際に役立てるのか教えて頂きました!
コンビニ2社を具体例に、経営戦略の違いを考えるワークをしたり、
実際に投資家として目を養う方法などを学びました。
参加してくれた学生さんからはこのようなコメントを頂きました!
・企業研究の仕方が分かった!
・投資をする際に何を調べたら良いのか、詳しく知ることができた。
・企業の比較の仕方・戦略、四季報の具体的な見方などの説明がわかりやすかったです。
投資に興味を持っているけれど、実際に何をすればいいのか分からないと思っていた学生も羅さんのお話を聞いて次へのステップを学ぶことが出来たと思います。またIR資料は就活をしていく上でも役に立ち、就活生はIRの活用方法を学ぶことができました。
今回は投資に興味のある学生や就活生に対してIR資料の活用法を教えて頂きました。
ミンスタでは他にも様々なセミナーをしているので、ぜひ気軽に足をお運びください!
【特別講師】
羅羅愛貴さん(早稲田大学商学部4年生)
・日本証券新聞記事寄稿
・中央大学法学部 講演会講師「金融リテラシーについて」
など金融リテラシーのセミナー講師を務め、投資家でもあり学生起業家としても活躍中

【イベントレポート】サークル・学生団体の次期リーダー必見! 組織運営を成長させるマネジメント講座

 

去る12月16日、600名を超える学園祭運営組織の代表を務めた久保田健嗣さんを招いて、学生団体やサークルのリーダー向けにマネジメントの講座が行われました。本レポートでは、その様子をお伝えします。

 

 マネジメントの講座は、久保田さん自身が今まで培ってきたリーダー経験と、久保田さんが学習してきたドラッカーなどに代表されるマネジメントの知識を踏まえ、どう学生団体やサークルといった学生組織に、マネジメントをどう実践していくか、リーダーの仕事は何かということをお話していただきました。

 

 

 

 実はこの講座は、久保田さんの問題意識から生まれた講座でもあります。

 と言うのも、久保田さんは今まで大小さまざまな組織で過ごしてきて、学生のマネジメントへの知識・理解不足を痛感してきたのです。久保田さんは、学生団体やサークルの代表が、マネジメントの学問的にある程度の知見が蓄積されている課題に対して、そういった知見を無視、あるいは知らずに0から自分の頭で考えるのは非常に効率が悪いと言います。人類の叡智を獲得したうえで、すなわち頭にファイルがあるうえで職務に当たった方が、圧倒的に結果を出せると説きます。

そんな久保田さんが開いた講座を、以下に簡単ではありますがまとめました。

 

マネジメントとは何か

 久保田さんはまず、マネジメントの定義についてお話ししてくださいました。

 久保田さんは、マネジメントの定義を行うことは非常に難しく、かつ繊細な注意が必要なことだと指摘します。しかし久保田さんは、マネジメント講座を開く以上、マネジメントという言葉の定義が必要だとして、ドラッカーによる定義を参考とした学生組織のマネジメントの定義紹介してくださいました。それは、学生組織が成果をあげるための道具であり、機能であり、機関であるとのことです。

 この定義を受講生と共有したのち、マネジメントの講座は熱を帯びてきました。

 

 

マネジメントの実際の仕事は何か

 定義が分かったからと言って、すぐにマネジメントの実際の仕事が思い浮かびにくいのが難しいところだと久保田さんは指摘します。

 そんな中、久保田さんはまずマネジメントの課題として、組織の目的や目標を確立せよと訴えます。と言うのも、組織が成果をあげることに貢献するにあたって、そもそもその組織の目的や目標を確定することが出来なければ、成果も定義することができないからです。

 

 目的や目標が確定できたら、いよいよ成果をあげるための実行に移りたいところですが、その前にやることがあると久保田さんは言います。その一つとして久保田さんは組織編成をあげます。と言うのも、組織の目的が決まったからといって、役割分担が決まっていない状況で動こうにも動けないし、動いたとしても生産性が著しく低いからです。限られた時間の中で、生産性をより上げるために、組織編成の重要性を説きます。特に久保田さんは、学生組織が代替わりする時に、組織編成をそのまま何も考えずに引き継ぐのではなく、今の状況にその組織編成が本当に適しているか考える必要があると言います。逆に、自分たちに適した組織編成を求めて、時間を費やしすぎたり、他がないがしろになってはいけないと言います。組織編成は、成果をあげるためのツールであって、目的ではないということです。

 

 

 他にも、マネジメントの実際の仕事で欠かすことができないのが、振り返りだと久保田さんは言います。これは、振り返りの対象とする期間で二種類に分けられると久保田さんは言います。前者は、一週間から一か月ほどの振り返りと、一年ごと、すなわち学生の代ごとの振り返りだそうです。前者は、設定した目標に対する進捗度合いをチェックし、今後の方策を考えるものです。後者は、一年間を総括し、次年度以降に役立てるものです。特に、この一年ごとの振り返りが特に学生組織に欠けており、学生組織の成長が阻害される大きな要因だと語ります。と言うのも、その年に何を志して、何を実施し、何が成果で、何が今後の課題なのかを共有できないと、結局実質毎年0からのスタートになってしまうのだと、久保田さんは断言します。毎年0からスタートするのではなく、先輩たちの遺産を引き継ぎ、さらにその上を目指していくことこそ、マネジメントに必要不可欠なものだと久保田さんは言います。

 

 

以上が、簡単な久保田さんのマネジメント講座の概要です。

久保田さんは、まだまだこの他にもマネジメントとしてやることが他にもあると言っていますし、事実このレポートにその全てを書いたわけではありません。

 

 今回この講座は、参考になった、あるいは非常に参考になったと回答した学生リーダーが100%で、大変好評を博した講座です。

 今後も、この様な講座を久保田さんは開いてくださるようですし、いろんな学生組織の相談にのってくださるとのことなので、興味のある人はチェックをしてみてはどうでしょうか。

 

【プロフィール】

久保田健嗣(くぼた・けんじ)

東京都立国立高等学校卒業

現在、早稲田大学政治経済学部政治学科4年

米国コロンビアビジネススクール公式プログラムVenture For All Program修了生

これまでに600名を超える早大生が所属する早稲田祭運営スタッフの代表、

地元三鷹市の成人式実行委員会委員長、行政学を専攻する稲継裕昭ゼミのゼミ長などを務める。

SACCO×ミンスタ主催イベントのお知らせ

 

 

SACCO×ミンスタ主催イベントのお知らせ

 

SACCO×ミンスタ主催イベント
【こうして見つけるのか!職業選択研究セミナー】

 

≪イベント概要≫

就職どうしよう…
キャリアってなんだろう…
こういった悩みは就活が気になっている方なら抱いたことがあるのではないでしょうか。

このイベントは、
将来歩んでいく道はどのようなものがあるのか、
職の選び方や優良企業の見分け方について様々なキャリアを持つ社会人の方から
直接お話をお聞きして【自分の将来のイメージ作りが出来る】イベントです。

 
①基調講演【優良企業の見つけ方を学ぶ】

就活生にとってはお馴染みの業界地図ですが、
東洋経済の元編集長である田宮寛之氏から、
優良企業の見分け方についてお話し頂きます!

 

②人事と匿名で本音トーク【社会の本当のことを知る、就活の悩みを解決できる

学生にとって今まで聞きたかったけど聞けなかった企業への疑問、
社会人の方に実は聞きたいと思っていること、就職活動の中で本音で答えてほしいことなど、
学生と企業の間で、本音で話し合っていただけます。

企業側は社名を伏せいているため、学生の質問に本音で答えることができ、
学生は企業をネームバリューで判断することなく、お話を伺えるので、
就職活動という面ではもちろんですが、社会人になる心構えを持つきっかけになります。

 

申し込みはこちらから!
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http://www.sacco.co.jp/seminar/

 

≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪参加者特典≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
『会社四季報 業界地図』(東洋経済新報社)
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のどちらか1冊をプレゼント!
 
 
≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪登壇者≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
東洋経済新報社 記者・メディア編集委員
田宮寛之氏
東洋経済新報社に入社後、企業情報部記者として自動車、食品、生保、損保、百貨店、スーパー、コンビニ、外食、人材ビジネス業界などの取材を担当。その後「週刊東洋経済」編集部デスクを経て「オール投資」編集長。「東洋経済HRオンライン」と「就職四季報プラスワン」の編集長を務め、現在はメディア編集委員。

株式会社スモールビジネス研究会
齋藤真織氏

一般財団法人日本SOHO協会
大串結子氏

 

申し込みはこちらから!
↓↓イベントWEBページ↓↓
http://www.sacco.co.jp/seminar/
 

イベントに向けた全体ミーティング

 

 

2017年1月26日 全体ミーティング(第1回)

 

 

1月26日、渋谷駅から徒歩6分の場所にある青山セブンハイツの一角で会議が行われました。

今回の議題は、学生が来たいと思うようなイベントの設計を考えようという点でした。

ファシリテーターに大手のNPO法人の役員の方をお招きして、大学生のメンバーが積極的にアイディアを出していきました。

今回のイベントに来てくれるような学生さんはどのような人なのか、そんな学生さんはどんなイベントに来たいと思うのか、というところについて夜遅くまでガッツリと話し合いました。

事前に自分たちで考えていた段階では、もやもやと詰まっている部分があったのですが、ファシリテーターの方が適切な疑問設定をしてくださったので、自分たちの中で答えを見つけることができました。

 

現在私たちは学生と企業の橋渡しができるようなイベントを設計しています!

今回私達が考えているイベントのメインターゲットは、「就活をはじめたはいいものの、どうやって企業を選ぶのか分からなくなってしまった学生さん」です。

・本当に良い会社の見分け方!?
多くの学生は3月1日の就活の解禁に伴い、プレエントリーを開始したり、大学の合同説明会に参加します。でも大学の合同説明会には300社以上もの会社さんが来るため、たくさんの企業の話を聞く中でどうしたら良いか分からなくなってしまう毎年数多くいるようです。その時に必要なのはとにかく数多く話を聞くというよりも、本当に良い会社の見分け方を知ることです。残念ならが現状では表面上は優良企業を装っていても、入ってみると職場の雰囲気が悪かったり、終電で帰れないくらいまで残業をさせられる企業も多くあります。そういった企業をどうやって見分けるのか、どうやったら有名じゃないけど優良な企業を見分けられるのか、その見分け方を学生さんにお伝えしたいと考えています。
そのために就活生に向けて累計部数110万部売り上げた『会社四季報 業界地図』の編集長をされていた田宮寛之様をお呼びして、良い企業の見分け方についてのお話を聞かせていただくことになりました。時価総額だけじゃない、これから衰退していく企業や伸びる企業の見分け方についてお話しいただく予定です。

 

・匿名で質問ができる!?
また、合同説明会に参加している企業さんも学生さんに応募してもらうのが仕事なので、会社の悪いところや業界の悪いところはあまり明かすことができないという現状があります。私たちはそういった状況に陥った学生さんに対して、人事の方の本音を聞ける環境を作りたいという思いがあります。そういった場合の障害になるのは、学生としては「こんな質問をしてしまうとこの会社に対しての印象が悪くなるのではないか」、企業としては「こんなことを言ってしまうと、自社の学生に対しての印象が悪くなってしまうのではないか」という思いです。そのため、今回のイベントでは学生は名前を明かさず、企業も社名を明かさずに参加していただき、両者が本音で語り合える場をつくります。

現在、私たちはこの理念に共感して、一緒に活動をしてくれるメンバーを募集しています。活動期間は現在~2017年3月14日までで、イベントの設計に関わってみたい、学生のことを本当に思って接してくれる社会人の方と関わりを持ちたい、という方、私達と一緒に活動してみませんか?