株式会社アプリ編 第5話 「 栄冠は誰の手に?」
◆動画制作:MovieAction
学生全員のプレゼンが終わり、優秀賞の発表。栄光は誰の手に? 冒険譚5話(最終話)。
プロジェクト実行型ビジネスコンテスト
◆文:小林宥太 /動画制作:MovieAction
第1回の初回MTGは3月4日の夕方、株式会社アプリの本社にて開催されました。
新宿駅からほど近いオフィスに集った9人の勇者(学生)たち。
ここからどんなミッションが発表されるのか、初対面で緊張している学生が多い中まずはアイスブレイクとして学生の自己紹介からプログラムはスタート。1人ずつ軽くご紹介しましょう。
上智大学総合人間科学部4年生。NPO法人でのボランティア活動の傍ら、ゼミでは副ゼミ長をつとめ、社会福祉を勉強中。メガネがチャームポイント。
法政大学社会学部2年 大学ではウェブメディアについてのゼミに所属。文章を書くこと、写真を撮ること、何よりも新しい世界を見ることが大好きだそう。マスコミ関係について勉強中。
慶應義塾大学文学部2年生。趣味はカフェ巡り、Twitterという慶応ボーイ。
法政大学経営学部2年生。モットーは情熱をもってやることということですが、自己紹介は控えめ(笑)某ベンチャー企業で長期インターン中。
東京外国語大学中国語学科4年生。上海への1年半の留学で中国語はペラペラ。英語も話せるトリリンガル。香港の某自動車メーカーにてマーケティング職のインターンを経験。快活な印象。
慶應義塾大学環境情報学部4年生。大学では心理学とフランス語を勉強中。学外では、国際ロータリーのRotexという留学生支援団体の代表と、国際平和映像祭での学生代表をしている慶應ボーイ。
東京外国語大学英語専攻4年生。留学、営業のインターンなど精力的に活動。
法政大学経営学部2年生。学外ではヒッチハイクを日本に広めることをミッションに掲げる学生団体、AdverHikerの代表をつとめる。学内では、商品企画と消費者行動を通じたマーケティングを行うゼミに所属。
法政大学社会学部4年生。学生ながらミンスタの立ち上げにも参加している。モデル活動もしているイケメン大学生。
本企画に参加したきっかけを話す学生から普段の学生生活での活動内容、趣味やアルバイト、インターンの内容などを話す学生まで様々ですが、大学1年でベンチャー企業での長期インターンシップを経験している学生や、留学経験のある学生など積極的に活動している学生が多く参加しているよう。
今後のアウトプットにも期待ができるメンバーが集まっています。
自己紹介後はいよいよ、株式会社アプリの社員から今回の企画概要説明へ。
司会を務めたのは主任の大原さんと藤根さん。まずは株式会社アプリの会社説明から。
◯14年目を迎える派遣会社
◯リゾート地へのアルバイト派遣に特化
◯様々なバックグラウンドを持った社員が多数在籍
会社概要を要約するとこういうイメージ。オフィス内にフィギアも置かれている「アプリレンジャー」というリゾートバイトのマスコットキャラクターがスライドの随所に登場して可愛らしい。
アプリレンジャーのLINEスタンプも好評発売中だそう。ぜひチェックしてみてくださいね!
※アプリレンジャーのLINEスタンプ
https://store.line.me/stickershop/product/1154434/ja
ここからは若手の藤根さんにバトンタッチ!!!
前職はサッカーの先生ということで、社員さんのバックグラウンドが様々だ、という大原さんの説明を思い出します。
「自称優しいお兄さん」、藤根さんは今年33歳で、自身も学生時代にアプリ経由で働いたことのあるリゾートバイト経験者だそう。
実際に働き始めるまでの流れの概要や、藤根さん自身の経験談を交えつつ、少しずつミッション参加学生たちの中にもリゾートバイトのイメージが出来てきたでしょうか。
最後には昨年夏に働いていただいた学生スタッフさんの意見が紹介されました。
◯リゾート地で周りに山や海以外何もないのがいい。休みの日は温泉に入ってゆっくりできる。
◯アプリでのバイトが初めての人も多く、未経験も可の職場もある
他にも様々な生の意見を知ることができました。(座談会の様子の詳細はこちらから。)
さて、再び大原さんにバトンタッチ!!!ここからいよいよミッションの説明です。
夏の学生スタッフの募集案の企画及び運用が今回のミッション。型にはまらない新しいアイデアが求められています。匙は投げられました。ミッションスタートです。
しかしそこで、さていきなり企画を考えてください、とならないところがこの「ミンスタ」の良いところ。ファシリテーターの石塚さんによる講義の時間が取られています。
ここで石塚さんからまず、最終的なアルバイト参加者を増やすためには、「集客」と「転換」の2つの施策が考えられる、とのアドバイスが入ります。
「集客」とはどうやってより応募者を集客するかを考えること、「転換」とはどうやって応募から実際の就業率を高めるかを考えること。
最初に軸を持って考えることでよりよい施策をアウトプットできる。石塚さんの指摘から「集客」チームと「転換」チームのチーム分けが完成。いよいよ企画のワークがスタートしました。
とはいえまだまだ打ち解けきっていない様子のメンバーたち。まずは連絡先交換をしつつ、改めて自己紹介をして仲良くなることから始めます。
ライングループを作ったりFacebookを交換したり、用意されたお菓子を食べながらざっくばらんに話しています。
集客チームは比較的和やかな雰囲気で話しつつ、学生だけで色々とアイデアをブレストしている様子。
一方の転換チームは、ライン交換もそこそこにアイデアを個人ワークで考え始める真面目さが目立ちます。アプリ側の社員にも、積極的に質問をしながら概要説明では得られなかった情報のインプットに集中している様子。
メンバーの一人が発言した「種を蒔いておいて、そこにみんなで水をあげて花を咲かせましょう」というフレーズが印象的でした。
とはいえチームワークはまだまだこれから。今後に期待です。
夜も遅くなってきたので、一旦次回のMTG日を各チームで決定してから初回MTGは終了!やる気満々の勇者たちは果たしてどんなアウトプットを見せてくれるのか・・・乞うご期待!(次回に続く)
◆文:菰田将司
企業から与えられたミッションに、学生が取り組む新感覚アルバイト「ミンスタ」。
今回は電気部品メーカーの老舗、東立電機株式会社からのミッション。一般消費者には馴染みの薄い「ヒーター」の新しい活用法に、大学生達はどのようなアンサーを示すのか。今回は第1回として、初回ミーティングの様子をお届けする。
今回のミッションに参加する学生
「硬い業界に柔らかい考えを持ち込みたい」
東立電機株式会社の創業は昭和15年。それから75年、特に工業用ヒーターの開発・生産を行っており、独自の技術力と開発力で、業界に確固たる存在を示している会社だ。
加藤貴久さんが、親の跡を受けて代表取締役に就いてから5年目になる。現在45歳、アメリカへの留学の経験を持ち、業界に新しい風を送り込もうとする新進気鋭だ。
「まあ、ウチの会社は煙たがられてるなあ、という気はしています。私も業界の慣例とか知りませんでしたし(笑い)。業界の異端児、という感じでしょうか」
と加藤さんが話すのには理由がある。
ヒーターは実に様々なところで利用されている。炊飯器などのキッチン用品やストーブなどの家電、巨大なものになると工業用の金属製成形機の加熱器。他にもプラスチック製品を金型に入れて成形する際、プラスチックを溶かすためにもヒーターは利用されている。非常に裾野の広い商売だ。
「しかし、だからこそ保守的な傾向が強い企業が多い業界でもあるんです。常に需要があり、こちらから新しい用法を提案しなくても、顧客の要求に応えてさえいればビジネスになるというか。これまではそれで充分に採算がとれてきたんです。
でも近年は環境が変わりました。中国から安いヒーターを作るメーカーが入ってきた時などは、多くの企業が少なからず動揺しました」
加藤社長が保守的な業界で強気に出られるのも、持っている技術に自信があるから。
「皆さんの中で、ヒーターとはどういうイメージでしょう?
電気ストーブの中に見える赤くなっているところ?確かにあれもヒーターの一種です。ヒーターとは、端的にいえば電気を熱に変える部品の総称です。金属には電気が流れにくい。そこに電圧をかけ、無理に中を通すことによって抵抗が発生し、熱が生じる。
基本構造はそれだけのシンプルなものです。しかし、見てくれや仕組みによって多種多様なヒーターがある」
東立電機株式会社が主力としているのは業務用のヒーター。特にデパートのトイレなどで使われる、すぐにお湯が出てくる蛇口に使われる電気温水器のヒーターのシェアは5割を超える。
「ウチの会社は製品内部の部品を温めるヒーターが得意分野。これらは温めるモノの条件で材質や、設定温度、時間などを細かく設計しなくてはなりません。特にウチが自信を持って推しているのがシーズヒーターです。
これは、通電すると高温になるニクロム線を金属管に入れ、その中を独自の方法で固めた絶縁粉末で満たしたもので、外からの衝撃で破損・故障する心配がありません」
シーズヒーターはコストパフォーマンスがよく、大量生産に向いていて、また加工が容易で色々な形を作れる特長がある。ゆえに業界内でもシーズヒーターは主流で、様々なメーカーで作られているのだが、加藤社長は「ウチは全ての部品を内製で作っているので、部品の調達ができないというトラブルはないし、また一から要望に応えた商品を開発することができる。それが大きな強みです」と話す。
「ウチは部品メーカー。パソコンでいえば、中身を作る会社。だからパソコンのガワ(外側)から変えて新しい商品を作り出すのは難しい。……そういった制約の中から、新しい製品を考えてもらいたい、というのが今回のミッションです」
ヒーターの業界は保守的。そこに独自の技術で斬り込むために、加藤社長は若い感性を求めた。
「よく言えばマジメ、悪く言えば閉鎖的な業界です。だから突拍子もないことを考えても面白いなと思っています。しかし、長くこの業界にいて硬くなった頭では、なかなかアイデアは浮かんでこない。
……私が期待しているのは、使う人が、自分の生活スタイルから選ぶような、そんな製品です。
特にキッチン用品。キッチンにはホットプレートやトースターなどヒーターを使うものが多い。キッチンにそれが置かれるだけで、キッチンの色や空気が変わってしまうような、そういうアイデアが欲しい」
……社長の希望を具体的なカタチにしていくために、二人の若いアタマが動き出した。
立岡:新製品を考える上で理解しておかなければならないことはありますか? また、形状によって機能に違いは出るのでしょうか?
加藤:形状によって機能は大きく変わります。そのことは理解しておいてください。営業や新入社員が一番苦労するのもそこです。これ、と決まっていることはないですが、この大きさではこの温度が限度ですよ、という制限はあります。
パワーや形状・材質など幾つかのポイントを複合的に判断するものなので、逆にアイデアを見てからこちらでベストの形状を考えます。
城間:作ることができるサイズは?
加藤:生ゴミ処理機用のものに、長さ150㎜、200度まで上がるものがあります。それが最小で、最長では4mくらいかな。温度は、上げようとすれば900度くらいまでは上げられます。ニクロム線の限界が1000度くらいなので。800度を超えると真っ赤になりますよ。
以前は、三菱電機さんからの受注でミニキッチンのコンロ用にたくさん卸していました。今はIHが主流になってしまったので、数は減っています。
……ヒーターはIHに比べて半額ほどのコストで作れ、丈夫で、いろいろな形に変えることができるという大きなメリットがあります。またIHは構造的に電磁波が出るので、それをいやがる人も多い。
城間:中身の部品は、普段意識していないので、とても面白いです。ただ、あまり目立つモノでもないので、合コンとかで自分の仕事をどう説明していたんですか?
加藤:色々と苦心惨憺した挙句、ホットプレートの中に見える、熱くなる棒を作ってます、というと「ふーん」と言ってもらえるようになりました(笑い)。
もっと分かり易くしてアイロンの中の部品とか。そのくらいしか説明のしようがないし、話が広がらなかったね。ただ、これからオシャレなデザイン家電の中に……となっていけば、女子も興味を持ってくれるかもしれない。
目を引くコーヒーメーカーとか、女子が興味を持つ製品も提案してもらいたいな。
立岡:どの程度の時間で温かくなるのでしょう? あと、自分は以前バーベキュー場で働いていたのですが、炭を熱くするのに時間がかかり、しかも温度を維持するのが難しかったのを覚えています。そういうものに使うことはできるでしょうか?
加藤:実はもう、バーベキューコンロは展示用に作ったことがあります。その時は一つの種火としてヒーターを使っただけでしたが、炭の熱をキープできるように温度制御のコントローラーを付けることもできます。そうすれば、初心者でも温度の維持が簡単になるのではないでしょうか。
熱くなるまで5分くらいは見てもらいたいのですが、まあそれもやりよう。もっと早くもできますが、そうなると熱くなり過ぎたり、電力を多く使い過ぎたりしてしまうので注意が必要ですね。
設定温度をキープする機能を付けるのは簡単ですので、そういう機能を必要とするものには取り付けられます。
城間:どうして僕たちに新しい製品を、という話になったのでしょうか?
加藤:現在、ウチは電気温水器や業務用厨房機器がメインの商品です。また、今後はプラスチック成形機にも力を入れ、現在3割くらいのシェアを持つプラスチックの乾燥処理用ヒーターも伸ばしていきたいと思ってます。
ただ、こういった業界内の問題もあるのですが、社内ではどうにもならない手詰まり感もあり、ブレイクスルーを、と考えていました。今、新しい人脈も広がり、こうやって若い人とも話が出来ている。イケるな、と感じています。
「いずれ、全てウチの製品のシステムキッチンとか作りたいですね」と話す加藤社長から与えられた今回のミッションは「置くだけでカッコ良くなるモノ」。
質疑応答の途中からもう、「最近日本酒を飲む女性も多くなってきている。以前業務用の熱燗マシン作られていたのなら、これをバーとかに置いても遜色ない、オシャレなモノにしてみては」など、様々な意見が生まれてきていた。
現在あるもののデザインなどソフトの部分をカッコ良くしていくのか。それともハードな部分から全く新しい使用の提案をするのか。
次回は彼らのプレゼンの様子をお届けする。
(第2回へ続く!)
ミンスタは、学生がキャンパスの外に踏み出すためのコミュニティです。
そのなかでも
企画とかマーケティングとか広報とか、そういった仕事に興味はあるけれども何をするのかよくわからない、
という人達が集まって企業とコラボしたり、企業からの課題「ミッション」に挑戦したりする場所です。
一人ひとりの方が社会人になるスタートラインをどこにするか、
どういった業界や業種が自分にとって楽しいと思えるのかそれを見極めることができます。
様々な仕事や人の魅力を通して、学生を本気感染させることを目的とした場所です。
例えば、
企業が先生となって課題をだしたり、
学生が考えたアイデアを自分たちで運用したり、
有名企業の経営者に直接話を聞きに行ったり、
狩人や漁師、ホストや刀匠といった学生にとって珍しいキャリアを
歩んでいる人の話を聞いたり、
といった機会を提供している場所です。