【学生取材レポート】ダイドードリンコ株式会社

文:卜承漢(ぼく すんはん) 写真: 周依琳(しゅう いりん)

取材先:ダイドードリンコ株式会社 人事総務部人事グループ 中野絢様、山下実菜美様、渡邉彩様

業界:飲料製造

 

ダイドードリンコ株式会社は、飲料の自動販売機設置台数が全国で28万台を超える、学生にとっても非常に馴染み深い会社だ。ダイドーの社名は、元々の設立母体である「大同薬品工業株式会社」の“大同”に由来するが、さらに意味を付加して「ダイナミック(Dynamic)」にチャレンジを「行う=ドゥ(Do)」という企業精神を表して「DyDo」としている。また、「ドリンコ」は英語の「ドリンク(Drink)」に、“仲間・会社”を意味する「カンパニー(Company)」をプラスした造語だ。全体として 「ダイナミックに活動するドリンク仲間」を表現しているそうだ。今回、中野様、山下様、渡邉様に学生数名で取材させていただいた。

 

-御社は飲料業界では、製品開発から販売までを手掛けられています。御社の全体事業戦略と各セグメントごとの事業戦略の関係について教えてください

戦略の大枠としては、中期経営計画の中で2018年度を最終年度として、4つのチャレンジについて取り組んでいます。一つ目は既存事業成長へのチャレンジです。現在、売り上げのほとんどが自動販売機によるものです。この自販機ビジネスを強化し、キャッシュフローの継続的な拡大を図っています。二つ目は商品力強化へのチャレンジです。商品自体のブランドパワーをより高めることに取り組んでいます。三つめは海外展開へのチャレンジで、イスラム圏のトルコに新しい戦略拠点を構築し、輸出ビジネスの拡大に取り組んでいます。最後は新たな事業基盤の確立へのチャレンジです。飲料、食品だけでなく、M&A戦略により、新たな収益の柱確立に取り組んでいます。

 

­­-世界的な企業も含め競合他社がひしめく業界での御社の経営の強みについて教えてください

経営面では①自販機②コーヒー③ファブレスの三つの強みがあります。①自販機は全体売り上げの85%以上占めている中核事業です。②商品でいうと、飲料売り上げ全体の50%を占めるコーヒーが強みです。特に、当社は香料不使用のコーヒーづくりを行っており、香料で香るのではなく本来の豆の香りが飲み終わるまで継続することにこだわっています。これは「こころとからだにおいしいものを」提供したいという思いから、創業からずっと守り続けてきた当社の精神です。③ファブレスは、fabrication facility(製造施設)とless(ない)を合わせた言葉で、自社工場がないという意味です。協力している会社に製造・物流を委託しています。なぜそれが強みかというと、全国約30ヶ所の工場で現地生産し、現地消費を可能とすることにより、物流コストを抑えることができるからです。また、工場建設という設備投資のリスクを回避することができます。これらにより、経営資源を効率よく運営することができ、限られた資源を商品の企画、開発、自販機オペレーションなど、必要なところに集中することができます。キャッシュフローの面でいえば、 協力会社に掛け買いをするという方法を採っています。そして売上金の回収は自販機からの現金主体なっていて、収支ギャップが常に小さいです。その結果、安定したキャッシュフローが確立されて、確固たる財務基盤を持って経営を推し進めていることも強みと言えます。

 

-以上の事業戦略を遂行されるにあたって、御社が採用したい人材の人材像について教えてください

当社で求める人材像は、若手からチャレンジできる風土を利用してそれを生かすことができる人材、つまり、チャレンジ精神に満ちあふれて失敗を恐れずに実行できる人、主体的にレールを引ける人です。先に述べたような当社の三つの強みが今の時点では強みとしても、それがいつまでも当社の強みであり続けるとは言えません。外部の社会と環境の変化により変わっていくかもしれません。その世界の流れの中で、当社は、若手からチャレンジできる風土が確立されているのが強みです。社長の髙松富也は42歳と若いので、その分社員との距離が近く、若手の意見も聞きながら、会社全体でどんどんチャレンジを推進しています。このように、当社ではチャレンジ精神が浸透しており、若手にも積極的に機会を与えています。たとえ失敗しても良いので前向きに取り組むことを推奨しています。私も人事グループに配属されてすぐに上司から、「どんどん主体的にやっていってほしい」と言われました。基本的には自分一人に全部の過程を任せてもらえるため、最後まで自分の力でやりぬく達成感があり、その中で成長することができるのです。

 

­-御社はボストンキャリアフォーラムに参加されていますが、留学生に性格的なソフト面と学歴などのハード面の二点において、どのようなものを期待されているのか教えてください

当社は自販機ビジネスとして成長してきたので、自販機ビジネスに強い人材が多数です。現在、当社を取り巻く環境は変化しているため、その変化に対応できる多様な人材が必要となっています。留学経験がある学生には、海外経験によって広まった視野や語学力を生かして社内をより活性化させることができる人として期待していますが、当社は採用の際、育成の観点からハード面よりはソフト面を重要視しています。なぜかというと、ハード面は会社に入ってから身に着けることができるからです。もちろん、ハード面のスキルを備えていることは有利です。海外事業部で担当できる幅も広くなり、活躍できる部門も多くなります。しかし、入社時点でのスキル不足を理由に配属が限定されたり、採用されないということはありません。知らないことに対し、先輩や周りの人の話を素直に吸収できる人、かつ自分の意見も持ちながら、違う世界感に触れたり、知らなかったことを教えてもらったとき、それをどうやって活用し、自分としての色を出していこうかと考えられる人と一緒に働けることを期待しています。

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-これから就活を迎える大学生に一言アドバイスをお願い致します

アドバイスの前に逆質問になりますが、就活にあたって、どのような業界が気になっているとか、こういう仕事がしたいということが決まっている人はいますか。やりたいことが明確に決まっていることも大事ですが、何事にも二面性(表裏)があって、今自分が考えていることや当たり前だと思っていることがもしかしたら固定観念かもしれないので、そういう意味で色んな企業を見てほしいです。就活だけでなく、生活するうえでも、自分が選択した行動が固定観念によるものかもしれないということを思いながら、常識と思っていることを非常識と捉えてみようと意識することが大切です。元々自分が思っていたことが違うと気が付くかもしれないし、さらに自分の考えが明確になるかもしれない。そんな意識を持って生活してほしいです。そのための手段としてインターンシップに参加したり、企業について深く知ることが重要です。 

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この度、業界や独自の事業展開について非常に丁寧にわかりやすくご説明いただいた。取材を通して、身近な飲料メーカーも、広い視野でグローバル化の潮流に合わせた変化を遂げていることが理解できた。モノづくりという産業にも関わらず、自前の製造にとらわれるのではなく、ファブレスという差別化戦略を取り、またいかに時代の変化に適応していくか考えられていることが印象深かった。社員との距離を縮めて若手の声に傾聴し、常に革新的な姿勢を維持しようとする社長のスタンスも理解できた。無香料という品質へのこだわり、またファブレスという思い切った戦略など、チャレンジする企業としての将来性を感じた取材となった。

 

 

【学生取材レポート】ラオックス株式会社

取材・文:張 軒誠

取材先:ラオックス株式会社 社長室経営企画部 山崎様 山本様

業界:小売業 家電量販店 インバウンド消費

 

ラオックス株式会社は、1930年に谷口正治氏が東京都墨田区で創業した谷口商店を源流とし、80年以上の歴史を持つ伝統のある企業です。ラオックス株式会社は、2000年前後は店舗数の量的拡大を目指しおり、最大手の家電量販店として数えられていたこともあります。しかし、近年ではその業態から一変し、海外旅行客を主な客層とした総合免税店としてのブランドイメージを確立させました。現在、日本におけるインバウンド消費市場は成長・拡大をし続けており、この市場をどのようにとらえられているのか、社長室経営企画部の山崎様、山本様に様々な質問をさせていただきました。

 

―まずは会社の歴史についてお聞かせください。

 「2000年頃、わが社は『家電量販店の雄』と呼ばれるほど大手の家電量販店でした。しかし、その後ビックカメラやヨドバシカメラといった新興家電量販店との競争に敗れ、店舗数を大きく減らしていきました。しかし2009年に中国の蘇寧電器(現:蘇寧易購)の資本が入ったことをきっかけに、従来の体制を一新して他社に先駆けて総合免税店を開き、日本へ来日する外国人旅行客を主な客層とする方向に舵を切りました。わが社では当時から一貫して『日本製品の価値の再発見』をコンセプトに、技術・品質に優れる日本製の商品・サービスを海外のお客様に提供し、「ジャパン・プレミアム」を届けることに努めております。」

 

 「また、その他にもわが社では他社に先駆けて新しい事業に積極的に取り組んでおります。その一環として、現在ラオックスでは家電のみならず、お客様の意見を取り入れて様々な商品やサービスを取り扱っております。例えば、安全面において高く評価されている日本の医薬品などドラッグの強化、また日本産の高品質な生活雑貨、婦人靴などのライフファッション事業や、海外のお客様に日本文化を体験していただくためのレストランの運営、劇場等のエンターテインメント事業も行っています。ですので、以前の家電量販店のイメージを持っている方が現在のラオックスの新店舗にご来店いただいた際、その意外性に驚かれるかもしれませんね。」

 

エンターテイメント事業 (『ギア-GEAR-』EastVersion)

 

「また2011年以降、蘇寧の子会社となった後は雇用がより柔軟なものとなり、男性ばかりではなく女性の従業員も増えました。現に経営企画部の私たちも女性の比率が多いですからね。」

 

―では、2009年以降女性社員が増えたと仰いましたが、そのメリットは何ですか?

 「女性のほうが場の雰囲気をくみ取りやすいですね。例えば女性の場合、店舗でも雨の日にお客様にタオルを差し出すといったような気遣いが、一般の男性に比べてより自然にできますよね。このような細かい気配りがサービスの質を向上させているのです。」

 

 「また、接客の面でもメリットがあります。従来の家電量販店では男性従業員が中心で、いわゆる体育会系のセールスがとても多かったのです。しかしそれは女性客にとっては非常に話を聞きづらい環境で、女性従業員を増やすことで接客の質の向上に繋がっています」

 

 「もちろん女性の弱さもあると思いますよ。例えば女性ばかりの店舗は安全対策に欠けるので当然男性従業員も必要です。会社は一つの家みたいなもので、男女それぞれの役割があるのです。女性が一人でもいる部署では、どうしてもその女性社員に対する配慮をせざるを得なくなり、企業内の雰囲気が柔らかくなり、社員の働き方も変わります。」

 

―競合他社に対してはどういう考えでいらっしゃるのでしょうか?

 「基本的に他社と競争しようといった思いはありません。仮に日本におけるインバウンド消費市場で与えられるパイが一定であるとするなら、奪い合わなくてはなりません。しかし、日本のインバウンド消費はこれから明らかに拡大傾向にあるため、様々な企業がそれぞれの特徴を活かし、外国人旅行客の方々に日本製品の良さを知っていただき、結果として日本のインバウンド消費市場を成長させていけたらなと思っています。」

 

 「わが社はそういった競争を意識するよりも、いかに特徴的な店店舗づくりを進めていくかを意識しています。商品を開発する際、何よりもお客様の意見を取り入れています。例えば以前、日本の炊飯器といえば白かシルバーの色しかなかったのですが、お客様の意見を取り入れ、赤やゴールドの炊飯器を販売した結果、特に中国圏のお客様に大ヒットしました。このように入手した情報をいち早く製品に反映させた方が、従業員もよりのびのびと接客できるようになるのです。結果として、こういった手法で他社にない製品を販売することにより、多少高価だとしてもお客様に満足して買っていただけるようになるのです。」

 

―いわゆる『爆買い』の終息に関してどうお考えですか?

 「確かに商品を陳列するだけでお客様に商品を買っていただける時代は終了したと思います。従来の『爆買い』時は決まった商品を1回でまとめて購入されるケースが主流だったのに対し、現在はリピーター客の増加もあり、様々な商品を数回にわたって購入する方向にシフトしています。結果としてお客様一回あたりの購入金額は当時に比べて落ち着いていますが、来店客数は順調に増加しおり、今後もゆるやかに増加していくことが予想されていますので、終息と言うよりは『爆買い』の形が変化しただけだと思います。」

 

 

 「もちろん販売方法の工夫もしています。わが社では販売する際、単品購入よりもお買い得なセット商品を作り、レジ前で提案するなどの販売方法にも力を入れています。こういった提案をすることによってなるべく数量を多くお買い求めいただくようにしています。盲目的な購入が減っている今日では、企画と提案が重要になっているのです。」

 

―御社はどうしてもアジア人顧客が多いイメージがあるのですが、その他の国々の顧客に関してはどうお考えですか?

 「やはり親会社が中国の会社ということもあり、わが社の主要顧客はアジアのお客様です。しかし、欧米や他国からのお客様も一定数いらっしゃり、年間で約50カ国のお客様に来店いただいています。アジアのお客様は生活の中で使用する消耗品への購買意欲が高く、日本製品を多く買われるのに対し、欧米のお客様は日本の置物やお土産品等を購入されたり、茶道の体験をしたりとより日本古来の文化体験を好まれる傾向があります。営利企業として、わが社はより利益の上がる方、パイの大きい方を重点的にマーケティングしています。」

 

―御社が就職活動に臨む学生に対して求めるものをお教えください。

 「まず、わが社は社員の提案することは何でもやらせる会社です。なので、自分の社会的地位や年齢、性別、国籍など気にせず、果敢に自分の考えを表現する新入社員であってほしいです。例えば自分の上司の提案に対しても積極的に意見できるような人がいいですね。確かに生意気だと思われるかもしれないですが(笑)。しかしわが社では、基本的には手を挙げればやらせてもらえる雰囲気ですので、他人の目をはばからず、積極的に自分の意見を発信できる学生さんにぜひ来ていただきたいですね。」

 

 「また、わが社はまだ成長段階にあるので、現状に満足するのではなく、常に成長志向を持った学生さんも大歓迎ですし、わが社の雰囲気に合うのではないのかなと思います。逆に上司からの指示を待ち、そのすべてに何の疑問も抱かずに忠実にこなすような人はわが社には合わないのかも知れませんね。確かにこのような人は大企業では出世するのかもしれませんが、わが社では上司に自分のキャリアを決めてもらおうとしているような人はあまり向いてないですね。」

 

 「例えば、1階で待ち合わせていた時の景色と15階にあるこの会議室から見た景色だと随分違って見えたと思うのですが、やはり高みに上った後に見える景色は変わります。わが社としては現状に満足せず、欲を出してその高みに上ってみたい人にぜひ来てほしいですね。」

  

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取材を終えて、振り返ると、『革新』という言葉がしばしば脳裏に思い起こされた。他社に先駆けて新たな市場を開拓しようという強い意志をひしひしと感じた。やはり多様な国々の顧客を対象とするビジネスにおいては柔軟な新しい発想が求められるのであろう。社員とともに会社も不断に成長を続けるラオックス。取材を受けていただいた方々から溢れんばかりの成長志向が感じ取られ、自分も努力を続けようと決心させられるようなエネルギーに満ちた取材であった。

【学生取材レポート】三井ホーム株式会社

取材:木原凛太郎、Che Alice、鈴木彪太

文:木原凛太郎

取材先:三井ホーム株式会社 人事部 人材開発グループ 塚原知宣様

業界:住宅

 

 三井ホームは、1974年創業の、注文住宅専門のハウスメーカーである。2×4工法を強みとして、長く選ばれ続ける住宅メーカーである三井ホームの塚原様に、現在の業界構造とこれからの展望、そしてその変化に対応していくために必要な人材像を聞いた。

 

 -建設・住宅・不動産業界とはどのような構造になっているのですか?

 「建設・住宅・不動産業界の企業は、主に仲介・デベロッパー・ゼネコン・ハウスメーカーの4つの業務内容に分けられます。仲介はその名のとおりビルや土地建物の売買の仲介を行っており、デベロッパーは、都市開発のような大きな企画を行っています。残りの二つは実際に建物を建てる仕事をしており、ゼネコンは高層ビルや大型施設を中心に、ハウスメーカーはマン戸建てやマンションなどの住宅建設を中心に行っています。

 

 三井ホームはハウスメーカーとして、戸建て住宅、中でも注文住宅を主に取り扱っています。注文住宅というと、同じ物件というものは無く、ひとつひとつがお客様のオーダーメイドのため、価格は少々高めになりますが、その分お客様にとって理想の家ができます。」

 

 

 -現在のハウスメーカーの市場はどのようになっていますか?

 「家というものはそう何度も建てるものではないため、人口減少下の近年でも着工戸数は簡単に増えるものではありません。家を建てるということはすなわち職人さんのような、様々な面で関わる人の雇用を増やす機会になります。ですから、国としても不景気の時こそハウスメーカーに支援をしてくれる場面は多いです。逆に景気のいい時に家を買うと金利が高く、ローンの返済額が大きくなってしまうのであまりお勧めしませんね(笑)

 

 近年では、小規模工務店が縮小し、大手企業が業績を拡大している業界でもあります。大手企業は海外にも進出しており、三井ホームの海外事業はほとんどが北米に集中しています。なぜハウスメーカーが海外進出できるのかというと、日本の家づくり技術は世界的にも評価されているからです。地震や台風、豪雨など、私たち日本人を取り巻く環境は厳しいですよね。その結果、過酷な環境に耐える家づくりの技術が磨かれ、世界に通用するようになったのです。」

 -同業他社との違い、三井ホーム独自の強みは何ですか?

 「三井ホームの物件は、同業他社と比べると平均2割くらい高い値段で建築されています。そのため私たちがターゲットする顧客は富裕層の方々が多いです。お客様の拘りに応える良い家を提供することに専念しています。それを踏まえたうえで、三井ホームの物件の強みは3本の柱からなります。一つは耐震性、次にデザイン性、そして快適性です。木造住宅・全館空調という点からこのような強みを実現しています。

 それから、三井ホームではメンテナンスやリフォームなども一括で取り扱っている点も強みといえます。これらがなければ物件の価格も安くはなりますが、それでは安心できる住まいづくりはできません。

 『快適さ』の面で言うと、木造の強みが出ます。木造の建物内では脳の集中力が上がるなどの科学的な実証がなされています。また、あまり大型ではない3、4階建て以下の建物の場合は、鉄骨の建築物よりも、共振しにくく耐震性が強いため、安心してご利用いただけます。」

 

-業界全体のこれからの課題はどんなことが考えられますか?

 「これからの課題としては、少子高齢社会に対応していくことが挙げられます。高齢者の方の持つ土地の活用は、その一つの解決策になりえます。近年では病院や老人ホーム、保育園といった施設の建設にも力を入れています。そういった「人を預ける場所」はやはり預ける側にとって安心できる空間である必要があります。特に保育園では、その第一歩として快適でデザイン性の高い保育園を作り、『この保育園で働きたい』と思う人を増やすことで雇用を増やし、結果的に受入数が増えることで、保育園不足の問題にも対応できると思っています。」 

-海外戦略は、北米以外の地域での展開は考えていますか? 

 「今後は北米だけでなく、オーストラリアへの進出も考えています。その理由は、三井ホームの売りである2×4(ツーバイフォー)構法の家作りが主流だからです。木造建築には、梁や柱を組み合わせた軸組と呼ばれる作りと、2×4という壁構造の作りがあります。軸組みは風通しが良いという点、2×4は逆に断熱性に優れるという点が特徴です。日本を含む多くのアジア地域では、高温多湿に対応するため軸組み工法が伝統的に行われてきましたが、近年では2×4の作りが増えています。理由としては、温暖化が進む中、風通しだけでは暑さに対応しきれないことが挙げられます。それならば断熱性のある住居に変えて、全館空調にした方が快適です。他にも花粉対策や大気汚染の対策にも効果的です。このように、住居も時代に合わせて変化を遂げています。」

 

-最後に、学生に求めることやアドバイスはありますか。

 「三井ホームに興味を持っている学生さんには、「人が好き」「モノ作りが好き」という2軸を持っていてほしいと思います。私たちの仕事は、「人」のために「モノ」を作ることだからです。入社してからも税金のこと、土地のこと、家の構造のことなどさまざまなことを学ぶことになりますが、それらを吸収していくだけの向上心があるといいと思います。向上心を持ってたくさん質問してくれる後輩は育てやすいですし、自身の成長も早いと思います。入社後の職種は営業をやったり人事を担当したりと、働き方はさまざまです。ですから学生時代から、いろんな世界に足を踏み入れ、いろんな話を聞いてみてください。アルバイトやサークルなど、常に人と話せる場所に身を置くことで、幅広いことに興味・関心を持ってほしいと思います。」

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この度、業界のことについて非常に丁寧にわかりやすくご説明いただいた。取材を通して、日本の家、そして家づくりという産業自体が、グローバル化や地球温暖化といった時代の潮流に合わせた変化を遂げているということが理解できた。日本が誇るモノづくりの技術は、人々の暮らしを支え、安らぎを与えてくれる家においても、世界に誇れる水準を持っている。そんな日本の家づくり技術のグローバル展開と、ハウスメーカーの今後の成長が期待できることがわかった。特に、三井ホームのモノづくりと人への拘り、2×4の将来性を感じた取材となった。

 

株式会社LIFULLに日本企業のこれからの行動指針を見る!

株式会社LIFULL/代表取締役社長 井上高志氏

 

「おウチ見つかる、ホームズくん♪」というCMでお馴染みの不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」を運営している株式会社LIFULL

同社は、「公益志本主義」を旗印に、様々なステークホルダーへの利他を意識した、未来の経営モデルを先取的に実践する企業である。

ようやくわが国もコーポレートガバナンス・コードの導入により、企業は短期の利益追求よりも、投入資本をどのように価値に変え、中長期的に成長していくのかをステークホルダーにしっかり示す必要が出てきた。

 

井上高志社長は早くからこの問題の本質に気づき、すでに経営システムとして定着させている。これからの資本主義社会における日本企業の一つの範として参考にしていただけるのではないだろうか。

 

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株式会社ゼットン/街づくりから人づくりへ 経営交代、理念の継承と深化の物語 株式会社ゼットンの企業物語

 

 

zettonという会社には一本の腕時計が紡いだ物語がある。高級腕時計ロレックス・サブマリーナ。二代目鈴木伸典社長の腕にはいつも一本のサブマリーナが巻かれている。

ダイビングウォッチとして名高いこのモデルには、通称「赤サブ」と呼ばれる希少モデルが存在する。

 

1960年代末期~1970年代後期までのわずかの間、文字盤の「Submariner」の記載が「赤く」印字されて生産された珍しいモデルなのだが、鈴木社長の腕に巻かれたこの「赤サブ」は創業者の稲本氏から託された特別な一本だ。

 

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アパグループ 代表 元谷外志雄氏が語る企業物語/アパグループ飛躍の鍵を紐解く!ホテル事業はなぜ生まれたのか

 

 

今やアパグループは、国内、アメリカ、カナダにおいて、ホテルを430棟、71,267室(建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含む)を展開し、住宅部門を含めた2016年11月期のグループ連結決算は売上高1,105億円、経常利益338億円に達し、世界でも有数の巨大観光、住宅産業グループとなった。

1971年創業以来、短期間での事業拡大はまるで手品を見ているような驚きがある。

その急拡大がなぜ可能だったのか?

また、耳目を集めた中国人宿泊客のボイコット問題になぜ徹底した姿勢を貫いたのか?

その背景を元谷代表に取材した。

 

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株式会社プレコフーズ/成長の軌跡 ・たった1店舗の鶏肉小売店を、2万軒の顧客をもつ生鮮食品の卸事業へ

株式会社プレコフーズ/代表取締役社長 髙波幸夫氏

 

今や年商約170億円の生鮮食品の総合卸となったプレコフーズ。事業の種は64年前、父親の手による鶏肉小売店開業とともに撒かれていた。

1985年時点で3万6000店以上存在した国内の食肉小売事業店は、2014年には9500店を切り、その減少に歯止めがかからない(経済産業省商業統計)。

しかし、プレコフーズは家業を引き継いだ髙波現社長の指揮のもと小木から大木へと葉を広げ、小売りから食肉の卸を中心に業態転換し成長。東京、神奈川、千葉、埼玉の約2万軒の飲食店の顧客を保有するに至る。

 

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株式会社スープストックトーキョー/世の中の体温を上げる仕事 スープを食べる20分から生まれるドラマ

株式会社スープストックトーキョー/取締役社長 松尾真継氏

 

スープストックトーキョーのスープは、「世の中の体温を上げる」という。

創業者遠山氏から同社取締役社長・松尾氏へ継承された「作品となるビジネス」は、スープという名の思いとなり、手に取る人々のドラマを生み出している。

 

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株式会社エヌリンクス/代表取締役社長 栗林憲介氏に聞く企業物語 「まずは、一歩踏み出すこと 」

 

 

株式会社エヌリンクスは、「最高の『ウェブ×リアル』カンパニーを創造する」というビジョンを掲げ、営業アウトソーシング事業とゲーム攻略サイト「アルテマ」および会話型コマースを活用したお家探しサイト「イエプラ」を主としたメディア事業を運営している。

栗林社長は、大学在学中からベンチャーを立ち上げた人物だが、そもそも何故起業しようと考えたのだろうか。

 

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株式会社ブロードリンク/使命は人と社会と地球を豊かにすること 「活業」で世界ナンバーワン企業を目指す

リユース・リサイクル業界のリーディングカンパニー

株式会社ブロードリンク/代表取締役社長 榊 彰一氏

 

中古パソコンの買取・販売事業から始まった株式会社ブロードリンクは、今や世界市場を目指すリユース業界のリーディングカンパニーだ。代表取締役社長・榊彰一氏は、大手生命保険会社での営業経験を経て同社を起業。

時代の変革に合わせてやってくる大きな危機をチャンスに変え、事業をグローバルに広げている。リユース・リサイクルを「活業」とする榊氏の、業界に変革を轟かせてきた軌跡と将来像を伺った。

 

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日本のセルフストレージビジネスの可能性/株式会社キュラーズ代表、スポーン氏に聞く企業物語

 

 

近年急成長し、注目されているトランクルーム業界で実績・知名度共にリーディングカンパニーとしての地位にある株式会社キュラーズ

その市場の今後の展望を同社代表スポーン氏に伺った。また、今回は新企画として、代表からこれから社会を目指す学生たちに向けたメッセージを伺った。

 

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