蔵カフェ×やまとなでしこPJ
◆動画制作:久保田亮
いよいよ学生プレゼン始まる!
豊島屋酒蔵さんという日本酒の酒蔵さんが、神田に蔵をコンセプトにしたカフェ『蔵カフェ』をオープンしました。ここで提供するメニューを学生が考えるというプロジェクト。
10人の学生が挑みます!
果たして、結果はいかに?
プロジェクト実行型ビジネスコンテスト
◆動画制作:久保田亮
宅配寿司「銀のさら」を運営する株式会社ライドオン・エクスプレスさんから学生たちにミッションが出された!
ファインダインは、デリバリーをしていないレストランの本格料理を自宅やオフィスで手軽に楽しめるデリバリーサービス。
このファインダインのPRと採用方法を考えるのが、本ミッション。学生たちの冒険譚 第2話スタート!
◆動画制作:久保田亮
宅配寿司「銀のさら」を運営する株式会社ライドオン・エクスプレスさんから学生たちにミッションが出された!
ファインダインは、デリバリーをしていないレストランの本格料理を自宅やオフィスで手軽に楽しめるデリバリーサービス。
このファインダインのPRと採用方法を考えるのが、本ミッション。学生たちの冒険譚 第1話スタート!
城間純平 法政大学 社会学部4年
山本大地 慶応義塾大学4年
真庭 伸悟 東京大学 教養学部 3年
江原由昂 早稲田大学 3年
髙橋明日香 東京女子大学 教養学部2年
大国智美 成城大学2年
高柳龍太郎 立教大学 社会学部 4年
石谷晃祐 東京大学2年
立石周諭 慶応義塾大学3年
◆文:菰田将司
保守的なヒーター業界に新風を巻き起こす東立電機株式会社と学生とがコラボしながら、ヒーターの新提案を行っていく「東立電機株式会社の新製品を考案せよ」ミッション。
今回はいよいよ学生達が考えた新製品のアイデアを加藤貴久社長にプレゼンしていく!
今回のミッションに参加する学生
城間純平君 (法政大学4年)
立岡佑亮君 (慶応義塾大学2年)
佐藤光(文化服装学院2年)
プレゼン1、一人暮らし男子からの熱い要望、カップラーメン専用湯沸し機
加藤社長、カジュアルな格好ながらも、威圧感があります!
対するトップバッターは城間純平くん(法政大学)。
城間:ぼくが考えたヒーターの新製品はカップラーメンの湯沸かし器です!
学生の一人暮らしと言えば、カップラーメンは不可欠。でも、やかんや鍋でお湯を沸かすと、お湯が残ったり、足りなかったり。お金がない学生なら、そんなムダも節約したいと。
そこで考えたのが、カップに目盛りがついていて、ちょうどカップラーメンにぴったりのお湯を沸かすことができる装置です!
目盛りにはどん兵衛ラインとか、カップヌードルラインとかがあって、そこにあわせるだけでいい。水を入れて装置にセットしたらスイッチを入れるだけで短時間で沸騰する。他にも分量の計れるカップをセットすることができて、コーヒーやスープなども適量で作れる。
ターゲットは一人暮らしで節約家、そして面倒くさがりの人。課題は、そういう層を狙った商品なので、値段は低く抑えたい。
イメージとしては3000円〜5000円くらい。あと、学生が興味を惹かれるようなオシャレな外観のものにしたいと思っています。家電店ではなく、ヴィレッジヴァンガードのような雑貨店でも置いてもらえるような
加藤社長:ウォーターサーバーに近いかな。ウォーターサーバーにも温度設定ができるのがあるけれど、赤ちゃんのミルクを作るときに便利なんだよね。そういうことを考えると、カップ麺に特化したものもアリ。
ただ現実的に考えると、カップ麺程度だと、一度に200CC位しか沸かさないから、あまり出力の大きなヒーターは使えないな。しかし、出力が小さいと沸騰までの時間が伸びてしまう。そこがネック。そういう装置なら沸騰するまで早いほうがいいよね。早ければ、それが売りにもなる。
どれだけ水を使うのか、何分で沸くのがいいのか。そこを詳しくリサーチして適正値を出せば、ヒーターの出力と大きさが決まる。それが決まると外装が決まる。ヴィレッジヴァンガードのようなところに置くことを考えているのなら、そこは拘りたい。
あと、カップ麺なら、フタ抑えが欲しいね。待っている間にいつの間にかフタが空いているの、イヤなんだ(笑)
もうちょっと練ったアイデアにする必要があるね。
加藤社長の反応を探るようにして、「実はもう1個考えています!」とはにかみながら、もう一枚のフリップを取り出す城間くん。
城間:寒い時期、ついつい買ってしまうのがペットボトルのお茶や缶コーヒーです。しかし、買ってすぐ飲みきらないと、冷めてしまって台無しになってしまう。肉まんみたいな温かい食べ物とかも同様です。
そこで、ヒーターを内蔵して保温ができるポーチを考えました。二重構造にして遮熱し、中に入れたものを長時間温かく保てる。また外側のデザインも、女子が喜んで使ってくれるものにします。
ポーチって、女のコはみんな持っているもの。だから、女子に訴求力はあると思います。
おしゃれアイテムでもあるので、ブランドが必要かもしれません。どこかのブランドとタイアップして、人気のモデルに使ってもらったりすれば、注目されると思います。
課題は、女子用にかさばらず軽いものにしたいので、ヒーターが入れられるかどうかと、長時間保温できるのかどうか。こういうのでオシャレなのはないと思うので、見込みはあると考えます」
加藤社長:「う~ん、常時発熱させるのは、電力を使うから難しい。それが持ち運びするものならなおさら。発熱させるよりそれをキープするほうが電力を使う。
だから予め温めておいて、それを持続させるようにしたほうがいいかも知れない。
家庭用電源や、例えばUSBとかから繋いで発熱させる、なんてことは構造上可能。二重構造で冷めにくい構造をしているんだから、温めたい時にスイッチを入れる、というのはどうだろう。
他にどんなものが入れられたら便利かな。肉まんは、買ったらすぐ食べるだろうけど、弁当やスープ、手袋。そういうのが入れられれば、応用範囲は広がる。冬場がメインだけども、夏には普通のポーチとして使えれば、一年通して使える商品になるね」
プレゼン3、バーベキューをもっと手軽に!炭加熱機能付きバーベキューコンロ
城間:実はもう1個考えてきたんです!
僕は以前バーベキュー場で働いてたので、炭に火をつける大変さを痛感しています。炭はなかなか火がつかず、しかも温度を維持するためにはずっと風を送り続けなければならない。
家族が楽しんでいる脇でお父さんが炭を扇ぎ続けている、なんて風景も見かけたりします。
そこで、炭に火を入れ、更に熱をキープできるバーベキューコンロを考えました。大体、バーベキューに行ったら、火をつけるのは男の仕事。
必死で火をつけている後ろで、女のコたちがまだーって待っている。それを3分でできたらカッコいいじゃないですか。それは家族でも同じ。お父さんカッコいいって。
仕組みとしては、ヒーターが内蔵されていて、炭がすぐ火がつく温度になっているものです。
課題は安全性とユーザーフレンドリーな取り扱い。高温になるでしょうから、冷めてから取り外しができるような仕組みとチャイルドロックは必要です。
今は楽に優雅にバーベキュー、というのは流行っています。そういうニーズにも合致するのではないでしょうか」
加藤社長:これはなかなかおもしろいね。今は屋内でもやるようなので、それなら電源は引っ張ってこれる。今まで障害だったのは、屋外には電源がなかったから。取り扱いについても、洗うことについては問題なし。
となると問題は炭。ヒーターに置くだけでは火はつかない。あと風を送り込む装置も必要かな。
家内がお茶をやるんだけど、茶釜の下の炭になかなか火がつかない。ガスコンロで炭に火を当てても、それでも難しい。
だから常に同じ熱を与えられるヒーターは炭火に向いているかもしれない。炭おこし用のヒーターを別モノで開発するのもあり。
城間君のプレゼンが終わり、場の緊張が少し解れた。続く2番バッターは立岡佑亮君(慶應大学)。
立岡:ぼくが考案したのは、電気バーナーです。
肉や魚をガスバーナーで炙ったり、プリンのカラメルを焼く料理がありますが、それがとても気になっていました。
料理の匂いに、ガスの匂いが混ざってしまうのではないか。そうなったら、せっかくの料理が台無しです。また、ガスは取り扱いに充分注意しないといけません。
家庭のキッチンだと、付近に可燃物がたくさんありますし、服に引火する可能性もあります。
そこで、ガスバーナーのように匂いを出すことなく、また危険も少ない、ヒーターの熱で食材を炙るものを考えました。スイッチはオン・オフだけで操作は簡単。できればコードレス、充電式にしたいです。外見は木炭を意識しました(笑)。
ターゲットとしては炙る料理が多くありそうな高級料亭なども考えています。
加藤社長:「確かにあのガスバーナーは気になっていた。ヒーターでは匂いが発生しないので、できたらニーズはあると思うが、ヒーターだと炙るほどの熱を出すのは難しい……。
ウチの主力商品のシーズヒーターは、熱源のニクロム線を金属管に入れて衝撃に耐えられるようにしたもの。
炙るのに使うなら、700〜800度に上げたニクロム線をむき出しにして、その熱を網目に移して直に食材に当てる、というのであれば考えようはある。
ただ、炙るという調理法は、炙って旨みを閉じ込める、というものだから、短時間でできるようにしないといけない。あとは使う人が誤って触れてしまわないように安全性を確保することかな。
立岡:ぼくも、あともう一つ考えてきています。
最近、タジン鍋に人気が集まるなど、蒸し料理が注目されています。蒸し料理の特長は、茹でたら水に流れ出てしまう栄養素も全部摂取できること。自分はよく料理をするので、蒸し料理もやりたいのですが、セイロを用意して水を張って、その下から火を当てたりと手間がかかります。
そこで、卓上で簡単に蒸し料理ができる、一人用のヒーター付き蒸し器を考えました。
この装置はスイッチ一つで蒸気を発生させて食材に蒸気を当てることができます。また従来は下から当てるだけだった蒸気を、横や上からも当てて、効率よく美味しく蒸し料理ができるように工夫ができればと考えています
加藤社長:セイロに関してはもう同様のものがある。例えばバイキング形式の料理を温める装置とかは、同じ仕組み。下からヒーターでお湯を温めて、湯気で料理を保温している。だけど、蒸し方に注目したのはいい。
ダッヂオーブンなんかは上からも熱を与えるし、そのほうが効率がいい。だから湯気は下からという常識は捨てたほうがいい。調査して、最も効率がいい熱の循環方法をできる装置を作る。蒸し加減の調節もできるような商品になれば、実用新案として世に示せるかも。
日本はガスがメインだけど、外国は電気メインだから、電気を利用したキッチンツールは、日本より外国のほうが多い。ヨーロッパのほうには、もうそういう新商品があるかもしれない」
2人のプレゼンが終わったあと、前回は参加できなかった佐藤光さん(文化服装学院)もアイデアを考えてきてくれたということでプレゼン。
佐藤:トースター全体がスケルトンになっていて、赤くなっているのが見える。そして中に入れたパンが焦げていく様子も見えるのも楽しいと思います(笑)。ヒーターの線がデザインされていたりしたら、熱が冷めても可愛いく、見た目も楽しいと思います。
あと、マグカップを置いたら温めてくれるヒーターを考えました。『温める』ということをもっと手軽にしたいんです。ただコーヒーを温めるだけにレンジまで行くのは、なんだかワザワザ感が強くて。デスクから動けない仕事をしているような人は助かるのではないでしょうか
加藤社長:おもしろいね。ただ、同じようなコンセプトの商品が発売されていたりするんだよね。ツインバードさんから鏡張りのオーブントースターが発売されているが、これは料理している自分を見て楽しむ、というもの。
パンが焼けていくのが楽しみという人もここにいるのだから、潜在的なニーズはあるのかもね(笑)。
でも、ヒーターもデザインするなんていうのは今までにない発想。どうしても日本の家電ショップに行くと、日本製と中国製のありきたりな物しか無くて気を惹くものがない。だからそういうアイデアは取り入れたい。
カップを温めるヒーターは、USB接続のものなどは既に製品化されているものが多い。専用カップとセットだと作る側は楽。どんな材質にも対応できるようにするとコストがかかってしまうから。
……アイデアとしては既に商品化されているものもある。だけど興味を惹かれないのは『欲しいのに欲しくない』理由があるんだろうね。今、ワザワザ感という言葉があったけど、そういうところが理由なのかも。どうしたら欲しくなるか。そこを考えることが大事」
加藤社長:みなさん、ありがとうございます。プレゼン、とても楽しめました。若い感覚っていいなって。
ぼくの思いとしては、市場調査とかセールスプロモーションとかを重視して、ある程度のニーズが見込める、というガチガチのプレゼンや結論が欲しいわけではない。
数を見込めることは重要だが、それが全てではない。数が売れなくても、それに魅力を感じてくれる人はいる。自分たちの納得のいくモノのを作ってそれを売る。それがいい時代になっている。
究極をいったら、思いつき先行でいいんです。中小企業ならそれでいい。 まず思いつき。それから市場に似ているものがないかリサーチ。次に、自分がそれを欲しいかどうか。もし欲しくないならそれは何故か。
それを自分のアイデアに組み入れていけば、どんどん完成度の高いモノになっていくと思います。
ということで、今度は、皆さんで蔦屋家電などおしゃれな家電やを一緒に見学しに行きましょう。ヒーターの活用のされ方など、以外なところに存在していたり、皆さんにも驚きがあると思いますので。
果たして今回のプレゼンから商品化されるアイデアはあるのか。次回、オシャレな家電屋さんで洗練された家電製品を見学に行く!の巻。
◆文:矢本祥子 /動画制作:MovieAction
学生が常識にとらわれない柔軟な発想で、企業の悩みやミッションに取り組む「ミンスタ」。
若者から飛び出す思いもかけないアイデアが、企業に新企画をもたらし業界を動かす可能性もある。学生たちにとっては、新感覚アルバイトでもあり、「社会に出て仕事をする」疑似体験の場、スキルアップの貴重な機会でもあるのだ。
今回のミッションは、総合人材サービス会社である株式会社ジョブコムから。ズバリ「登録スタッフ数を増やしたい!」である。
設立20年目を迎えるジョブコムは、名古屋が本社の事務系の人材派遣会社。
その他東京、福岡に拠点を置いて、順調に業績を伸ばしてきている。
派遣会社の仕事は、働く人を探している「派遣先企業」と働く場を探している「派遣スタッフ」を結びつけること。
提携している企業から信頼してもらうためには、いかに企業が求めている人材を提供できるかがポイントとなる。
人材とは、つまりジョブコムに登録してくれる「派遣スタッフ」だ。働きたい人にとって魅力ある企業の仕事を取り揃えるのと同様に、優秀な人材の確保も大切な仕事なのだ。
この「登録スタッフ数をどうしたら増やせるか」というテーマに、学生の力を借りたい。ここから本プロジェクトは始まった。
(前列左から)ジョブコム・櫻井梨絵さん(コーディネーター)・山村欣矢さん(常務取締役)・齋藤理恵さん(営業グループ 人材派遣ユニット)
(後列左)加藤俊(ミンスタ)
(右端)ファシリテーター :石塚祐介(株式会社Ymix 代表取締役)
学生 (学年は2016年3月時点のもの)
岩廣映璃(イワヒロエリ):跡見学園女子大学 マネジメント学部マネジメント学科1年
篠原瑞季(シノハラミズキ):早稲田大学 文化構想学部 多元文化論系2年
鈴木太陽(スズキタイヨウ):日本大学 商学部 2年
永島郁久雄(ナガシマイクオ):東洋大学 経済学部国際経済学科1年
永山海斗(ナガヤマカイト):東洋大学 経済学部 国際経済学科1年
「みなさんは、〝派遣〟と聞いてどんなイメージを持っています?」
開口一番、ジョブコム株式会社常務取締役の山村欣矢さんは学生に訊ねた。
派遣切りや年越し派遣村など悪い印象もある〝派遣〟という働き方。学生の率直な印象を聞きたかったという。
「アルバイトで数日、派遣で働いたという友だちはいますよ…」
「登録はしたことあるんですけど、年齢が若いこともありなかなか仕事がまわってこなかった。あまりいいイメージはないですね」
「ホテルの中のレストランに毎回派遣される仕事をしていたんですけど、その都度違う職場なので人間関係が築けなかった。それが残念だったことでしょうか」
「みなさんが経験されているのは、単発のものが多いようですね。うちは、派遣の中でも事務系。派遣といってもいろいろ種類があるんです」と山村さん。
派遣会社によって、技術系に強い、製造系がメインなど、それぞれ得意とする職種、専門分野が違う。
ジョブコムは、事務系に特化した会社だ。
一般事務、営業事務、貿易事務、経理など。企業の中に入って、営業アシスタントとして資料を作成したり正社員のサポートをする仕事が多い。比較的長期でだいたい3ヶ月毎に契約更新をし、長い人だと3年以上同じ職場で働き続けている人もいる。
派遣システムのしくみを簡単におさらいしよう。
「派遣先企業」は、ジョブコムと労働者契約を結び、業務を依頼する。
「派遣スタッフ」とジョブコムは雇用契約を結び、給与はジョブコムから支給。福利厚生などもジョブコムがバックアップする。ただし「派遣スタッフ」に対して、仕事に関する業務の指示をするのは「派遣先企業」となる。
ジョブコムの仕事としてはまず、派遣を必要としている企業を開拓することがあげられる。常に、ネット上などで同業他社の情報をチェックし、営業をかけ、「派遣先企業」を増やす努力を行っている。
ジョブコムでは、常時150〜200件くらい、「派遣先企業」からの仕事の依頼があるそうだ。
一方、企業が欲しい人材、ニーズもさまざまなので、その多様な要望に応えるべく幅広い人材を取り揃えるために、「派遣スタッフ」の登録数を増やす施策も常に行っている。
ネットなどで仕事の情報を流し、それを見て「この仕事をしたい!」と興味を持ってくれた人には、銀座と新宿にあるセンターに直接、登録に来てもらう。そこで、「派遣スタッフ」の希望条件をコーディネーターがヒアリング。「派遣先企業」の業務内容の確認を行い、職場訪問などを経て、うまくマッチングすれば契約成立、派遣での仕事が開始となる。
今回、ミッションは二つある。
「人材を探している企業が200社くらいあっても、登録をしに来てくれる人が数十人では、いくら仕事を紹介したくてもできないですよね。その逆もしかりで、両者のバランスがとても大切なんです。今、だいたい200社くらい案件がある中で、現在、登録者数はだいたい月に200〜250人くらい」
派遣で仕事を探している方は、平均して3〜4社重複して派遣会社に登録している。その上で、いくつか紹介された仕事の中から、自分の条件に一番合うものを選んで就業している。この3〜4社の中に、中堅どころであるジョブコムが入るための施策を考えてほしい、というのが一つ目のミッションだ。
「ジョブコムの理念として、社員みんなで作ったミッション、ビジョン、モットーがあるんです。アイデアを考えてもらう前提として、知っておいてくださいね」
★MISSION/私たちの使命
〝自分らしい生き方〟を、一緒に、世の中へ。
★VISION/私たちの目指す姿
あなたに寄り添い、一番に相談される存在として、人と企業のこれからを応援する。
★MOTTO/私たちの行動規範
ひとに、しごとに、まっすぐに。
山村さんは続ける。「売上で一番になることはすぐには難しいが、人と人との関係、信頼を得ることにおいて、ジョブコムが一番になることは可能なんですね。『まずはジョブコムの人に相談しよう』と思ってもらえる会社を、皆で目指しています。
それは、働いているスタッフからの相談もそうだし、企業からもです。いくつかの派遣会社からスタッフが入っている現場で、たとえば『来期にこんなプロジェクトを予定していて、こういう人を派遣で雇おうと思っているんだけれど…』といった話を、担当者から一番に相談してもらえれば、我々は、他社よりも情報を早く受け取れたことで、先手を打つことができます」
これは、ジョブコムの営業担当が今、知恵を出し合って開拓している領域。マナーや知識、情報収集、マインドといった項目をあげて、喧々諤々議論を深めているところだ。
「一番に相談してもらえる会社なる」ためには、何をしていけばいいだろう?それを考えてもらうのが、二つ目のミッションだ。
登録スタッフ数を増やすために、大手や同業他社と同じことをやっていても仕方がない。差別化するためには、どこもやっていないこと、未開拓な部分を掘り起こすことが課題となる。
「なにはともあれ、登録に来てもらうことが大事なんですね。すべてはそこから始まるので。考え方としてはいわゆるマーケティングと同じです。ジョブコムが持っている仕事を、どう求職者にアピールするかに尽きます」とは、コーディネーターの櫻井梨絵さん。
「これまでに、交通費の支給やノベルティの配布、また地方への出張登録会や土曜、夜間の登録会などを行ってきましたが、費用対効果を見て、ほぼ廃止したりしています。その代わりに、今は、対応力、サービス力の向上に力点を置いています。
たとえば、スタッフをエレベーターまでお見送りしたり、面談の際のヒアリング力を高めるためのスキルの共有やMTGをこまめに行うなどしています」
また、広告対策においても、大手や競合他社と違った手法で行うことが重要だ。年齢が高くても専門スキルを持っているといったターゲット層の絞り込みや、これまでとは違う課金型の広告媒体を利用してみるなど、また、メールなどのシステムを駆使して求職者へのアプローチ回数を増やしたりと、さまざまな工夫を凝らして、来社へとつなげている。
次に、営業グループ 人材派遣ユニットの齋藤理恵さんが、ジョブコムがベンチマークしている企業とその会社の取り組みについてお話してくれた。
「ジョブコムと同じくらいの規模のW社が業績を伸ばしている要因を分析すると、W社は『人と人のつながりはアナログであるべき』をテーマにし、派遣先企業と派遣スタッフとのコミュニケーション量が圧倒的に多いんです。
営業の業務範囲が広く、その代わり一人が担当しているスタッフ数はジョブコムよりも少ないので、おのずと細やかな対応ができているようです。
企業側ともスタッフ側とも関係性強化に力を入れていて、それが売上につながっているんですね。
また、B社は、主婦の方に特化して就業支援を行ってきた会社なんですが、TV番組などメディアを上手に活用し、自分たちの事業をアピールすることで、派遣先企業、派遣スタッフの新規獲得に結びつけている会社もあります」
最後に山村さんから一言。
「人材サービス業は、最終的に人対人。すごく泥臭いところがあるんですね。嫌なこともたくさんあるし、でも、その分嬉しいこともいっぱいある。
ほわっとしたきれいな感じのアイデアや、ジョブコムに対して気を使った提案はいらないです。失礼のないように、とかね。本音で忌憚のない、むしろ失礼なくらいの意見を聞きたいと思ってます。
遠慮しないでください。あとは、スタッフ側と企業担当者側の両方の立ち位置を想像しながら考えてもらえれば。企業側の気持ちをイメージするのは難しいとは思いますけれど」
ファシリテーターの石塚祐介さんから、アイデアは少なくとも100個以上出そう!また、マーケティング用語「AISAS(アイサス)」を意識して、順番に出していこう!といったお話があり、学生のブレストに突入。一部の発言を抜粋しておく。
※Attention(気づく)→Interest(興味)→Search→(検索)→Action(行動)→Share(情報 共有)
→石塚さんは、今はSearch(検索)はCheck(チェック)、Share(情報共有)はSpread(拡散)
ではないかと発言していた。
「派遣会社で重要なのはクリーン性かもしれない。安心感がないとこわい」
「TVなどスコミに載っているかどうかは大事?」
「このターゲットを取り込みたいから、このアプリを使っている人向けにアプリの下の広告とか」
「口コミ、やっぱり友だちからの情報が、一番信頼性が高いなぁ」
「渋谷の交差点の大画面って、つい時間があると見ちゃわない?」
「飲み物に付けられないかな?キャップにめくるシールを見て登録に来てくれた人にプレゼントとか」
「LINEのスタンプ作戦。スタンプが欲しいから、一度は登録するよね」
「スタップ取ったら、すぐに削除してしまうけど…」
「私は、罪悪感があってブロックできなかったりするよ」
「電車のつり革とか、何も考えずに見てる気がする」
「王道だけど、ハローワークなど安心感のある場所にフリーペーパーを置くのはどう?」
「ドラマで女優が来ていた服がすごい売れたり。ドラマ内で、俳優がジョブコムと絡むとか」
「感動するCM。何をしているかわからないものも多いけど、気になっちゃうよね」
「ジョブコムの社員など、中の人がどういうことをしているかを発信するのは?信用にもなる」
「ジョブコムのサイト、きれいだよね。サイトってけっこう大事。安心感が違うような」
「それって、Interest(興味)の先の話かも」…
石塚さんからは「PRなど広告ではないアイデアも考えてみて。B社がメディアに取り上げられている理由を考えてみてもいいかも。
今、PRとして取り上げられやすいのは、シェアリングエコノミー、社会貢献、地方活性の3つなんです」と助け舟が。
今後、日をあらためてアイデア会議が行われる。次回は、プレゼンの様子をお届けする予定だ。